
2023年07月14日
本当?「お金持ちはごみが少ない」という話について
「お金持ちはゴミが少ない
」と話題になっているようですが、さて本当でしょうか?

https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2022/12/15/118010/
お笑い芸人で、ごみ清掃員でもある滝沢秀一さんという方が、日々収集している体験を元に語っているので、いかにももっともらしく聞こえますね。
それが話題になったことで、こんなことまで言い出す人もいました。

https://agora-web.jp/archives/230112013659.html
根拠は自分の経験だそうで…、確かにありそうな気がしなくもないですが、そんな単純なものでしょうか?
何か調査や研究などないかと探しましたが、所得とごみ排出量の直接の関連を調べたものは見つからなかったので、自治体ごとの統計データで見てみたいと思います。
市町村の平均所得額ランキング(こういうものがあるんですね
)と、一人当たりのごみ排出量を比較してみました。

↑クリックで拡大します
*所得データ:市町村課税状況の調(総務省)を元にしたランキングを紹介しているサイトから
*ごみ排出量:一般廃棄物処理実態調査結果・環境省廃棄物処理技術情報
*東京23区のゴミ排出量:東京23区清掃一部事務組合・清掃事業年報
所得の多い順とごみ排出量、その逆の比較も並べてみました。
世帯ごとのデータではなく自治体の平均ではありますが、むしろ所得の多い自治体はごみが多く、所得が低い方がごみは少ない傾向が見て取れます。(都市部と農村部という構図も重要ですが)
実は、所得と廃棄物の量が「比例」することは国際的にもはっきりしていて、所得の多い国はごみが多く低い国はごみが少ないし、経済発展により所得が上がると、廃棄物の量も比例して増えます。

↑クリックで拡大します
https://www.jica.go.jp/.../mundi/1805/201805_02_02.html
実際、家庭ごみの量については、所得や資産ではなく、世帯人数や家族構成と関連することが調査や研究で分かっています。
https://www.jstage.jst.go.jp/.../proer2000/30/0/30_0_1/_pdf
https://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/.../gomigentani.pdf
それにしても、なぜ実際に収集の現場にいる方が「金持ちはごみが少ない」と感じてしまうんでしょうか?
「豪邸なのにゴミはこれだけ、、、」って、回収時には何人住んでいるかまでは分かりませんので、豪邸に1人しか住んでいなければごみは少ないし(年中旅行や別荘に行ってて実際はほとんど住んでないとか)、小さな家でも5人いればごみは多いはず。
冷静に考えれば家の大きさとごみの量は関係ないですね
また、外食すれば家庭ごみが減るのは確かで、所得が高く外食が多い家は出すごみも少なくなることはありえます。
ですが、それは本当にごみが少ないのではなく、家庭以外でごみを出しているにすぎないですね。
国立環境研究所によれば、1食当たりの食品廃棄物の量は家で食べるよりも外食の方が多いそうです。

https://www-cycle.nies.go.jp/magazine/kenkyu/201206.html
家庭から出るごみは確かに生活を反映していますが、金持ちかどうかよりも、家族構成やライフスタイル、さらには分別や減量を意識することの方が影響していると思います。
所得が低く生活が苦しいと分別や減量のことまで考える余裕がない、ということがあるとすれば、家庭に責任を押し付けるのではなく、社会システム全体で考えることが大事でしょう。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2022/12/15/118010/
お笑い芸人で、ごみ清掃員でもある滝沢秀一さんという方が、日々収集している体験を元に語っているので、いかにももっともらしく聞こえますね。
それが話題になったことで、こんなことまで言い出す人もいました。

https://agora-web.jp/archives/230112013659.html
根拠は自分の経験だそうで…、確かにありそうな気がしなくもないですが、そんな単純なものでしょうか?
何か調査や研究などないかと探しましたが、所得とごみ排出量の直接の関連を調べたものは見つからなかったので、自治体ごとの統計データで見てみたいと思います。
市町村の平均所得額ランキング(こういうものがあるんですね

↑クリックで拡大します
*所得データ:市町村課税状況の調(総務省)を元にしたランキングを紹介しているサイトから
*ごみ排出量:一般廃棄物処理実態調査結果・環境省廃棄物処理技術情報
*東京23区のゴミ排出量:東京23区清掃一部事務組合・清掃事業年報
所得の多い順とごみ排出量、その逆の比較も並べてみました。
世帯ごとのデータではなく自治体の平均ではありますが、むしろ所得の多い自治体はごみが多く、所得が低い方がごみは少ない傾向が見て取れます。(都市部と農村部という構図も重要ですが)
実は、所得と廃棄物の量が「比例」することは国際的にもはっきりしていて、所得の多い国はごみが多く低い国はごみが少ないし、経済発展により所得が上がると、廃棄物の量も比例して増えます。

↑クリックで拡大します
https://www.jica.go.jp/.../mundi/1805/201805_02_02.html
実際、家庭ごみの量については、所得や資産ではなく、世帯人数や家族構成と関連することが調査や研究で分かっています。
https://www.jstage.jst.go.jp/.../proer2000/30/0/30_0_1/_pdf
https://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/.../gomigentani.pdf
それにしても、なぜ実際に収集の現場にいる方が「金持ちはごみが少ない」と感じてしまうんでしょうか?
「豪邸なのにゴミはこれだけ、、、」って、回収時には何人住んでいるかまでは分かりませんので、豪邸に1人しか住んでいなければごみは少ないし(年中旅行や別荘に行ってて実際はほとんど住んでないとか)、小さな家でも5人いればごみは多いはず。
冷静に考えれば家の大きさとごみの量は関係ないですね
また、外食すれば家庭ごみが減るのは確かで、所得が高く外食が多い家は出すごみも少なくなることはありえます。
ですが、それは本当にごみが少ないのではなく、家庭以外でごみを出しているにすぎないですね。
国立環境研究所によれば、1食当たりの食品廃棄物の量は家で食べるよりも外食の方が多いそうです。

https://www-cycle.nies.go.jp/magazine/kenkyu/201206.html
家庭から出るごみは確かに生活を反映していますが、金持ちかどうかよりも、家族構成やライフスタイル、さらには分別や減量を意識することの方が影響していると思います。
所得が低く生活が苦しいと分別や減量のことまで考える余裕がない、ということがあるとすれば、家庭に責任を押し付けるのではなく、社会システム全体で考えることが大事でしょう。
Posted by くるくるリサイクル at 11:07│Comments(0)